304. 菫
- 2009/10/31(Sat) -
 エステルに逆らえない、とヨシュアの体の芯まで染み渡っているのは、ブライト家に『お持ち帰り』された日に彼女から飛び蹴りを食らわされたから。
 ――では当然なくて、
「名前よ、名前! あたしもさっき言ったでしょ。
こっちだけが知らないのって悔しいし、不公平じゃない」
 その日初めて見たエステルの笑顔。
 あの笑顔は、あの日から毎日自分に向けられていた。昔も、今も、ずっと。
 彼女の笑顔を消したくない。曇らせたくない。
 最初に芽生えた、たったそんな些細で他愛ないことを――今も、まだ、願い続けている。




 菫の花言葉=小さな愛、誠実。

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303. Going my way
- 2009/10/30(Fri) -
 信じられないものを見たかのようにざわめいたり、唖然茫然とする帝国貴族・ご令嬢やご婦人・富豪などの社交界の皆々様方の反応を見て、痛む頭を抱えてミュラーは呻いた。
「……ついにやったか、あの馬鹿は」
 頭を抱えるミュラーの視線の先には、遂に被っていた猫を脱いだ素のオリビエ――オリヴァルト皇子の姿があったのだ。
 これから先の事態を考えたくない、と更に頭の痛みが悪化したような気がした。

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302. 憧れ
- 2009/10/29(Thu) -
ケビン
「姫殿下はお菓子料理得意やったなあ」

リース
「うん、とっても甘くて美味しくて、見た目もとても綺麗だった」

ケビン
「ジョゼットちゃんは、家庭料理や大人数用の料理が得意やったなあ」

リース
「うん、ジョゼットさんの料理は味も良かったけど、量もたっぷりあってとっても食べ甲斐がある」

ケビン
「エステルちゃんの魚料理も旨かったけれど、あの子のオムライスは格別やったな」

リース
「うん、あのオムライスの味はエステルさんにしか出せない、妙品だと思う」

ケビン
「そうかー、リースもそう思うかー……。…………。」

リース
「……」

ケビン
「……なあ、リースはあの子らの料理を見たり食べたりして、憧れたりとか。
または今の話を聞いて、自分でも料理を作りたいとかは思わんか……?」

リース
「思わない。私にはケビンの料理が一番だから」(きっぱり)

ケビン
「……そうかー……」(目論見が外れてがっかり半分、リースの言葉が嬉しくてだからこそ情けなくて複雑なのが半分)

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301. 沈丁花
- 2009/10/28(Wed) -
新米・親衛隊騎士
「私如きが、あの誉れ高いオリヴァルト皇子に仕えることが出来るなどとは……!
何たる、名誉! 何と言う、幸運!!
我が自らの命に換えてでも皇子の御身を守り貫くことを、この剣に賭けて誓います!!」

ミュラー
「……(オリヴァルト皇子=オリビエの本性を骨の髄まで知っているのでいたたまれず、新米騎士からそっと目を伏せる)」


<HR>

沈丁花の花言葉=栄光、不死、不滅。
栄光=大きな名誉。輝かしい誉れ。

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300. 紅一点
- 2009/10/27(Tue) -
 白い雪原に広がる血溜りの海は、遠く――或いは上空――から見ると白いハンカチを染める、一点の紅い染みのようだった。
 ……ヨシュアは未視感を覚えた。
 かつては何度も見慣れた光景であったのに、初めて見たような感覚を覚えた。
「……殺したの」
「ええ、そうよ」
 疑問ではなく確認を、ヨシュアは乾いた声で言った。
 レンも感情を消した声で答える。
「殺したくなったから、レンがこの人達を殲滅(コロ)したの」
「……そう、か」
 似たような会話を何度も繰り返した筈なのに、ヨシュアはまた未視感を覚えた。
 レンの実力を持ってすれば殺すことなく無力化することはできただろうに、衝動のままに殲滅(ころ)した。
 ≪結社≫時代の≪殲滅天使≫は、その二つ名の通りに任務の標的を……場合によっては標的ではなくとも、皆殺しにした。
 散々苦痛を味わせた挙句に殺すことも珍しくなかった。
 そして≪漆黒の牙≫は任務の確認の為に、≪殲滅天使≫に今のように話しかけることも珍しくなかった。
 ≪結社≫時代には有り触れた光景だったのに、何故未視感を覚えたのか……
 ……見たことがあるのに『ない』と感じたのか、ヨシュアにはようやくわかったような気がした。
 ――エステル、だ。
 レンはエステルとヨシュアの手を取り、家族となった。
 ヨシュアと同じく、レンもエステルの光を傍で浴びている。
 彼女の希望(ひかり)はレンを癒すと同時に、レンの心の傷を白日の元に曝し、レンの闇を濃く映し出していた。
 どれ程の光が、癒しが、救いが、赦しがあったとしても、刻まれたものは消すことは出来ない。良い意味でも、悪い意味でも……
「……エステルはいないよ。ここに来たのは、僕だけだ……」
「そう、ヨシュアはエステルを連れて来なかったの……」
 ありがとう。レンは掻き消えそうな声で礼を告げた。
 ――貴女にだけは、見られたくなかったから。

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299. 君が必要
- 2009/10/26(Mon) -
 他人(ひと)から存在を必要とされるのは、果たして幸福なのか不幸なのか……
 ……他人から自分という存在を強く必要とされていることを、熟知していることは。
 幸福なことなのか、不幸なことなのか。最近のシードにはわからなくなってきた。
 カシウスは、時々レイストン要塞に囲まれて限られた空を見上げてから、窮屈そうに溜息を吐くのだ。
 カシウスは、時々冗談交じりに「早く軍をやめたいんだがなあ」とシードやモルガン将軍に話す。
 冗談交じりだとはわかっているが、同時にいくばかの本気と本音が込められていることも二人はわかっている。
 ――カシウスは。
 「強きを挫き、弱きを扶(たす)ける」――その、象徴として。
 軍人から遊撃士に転向したカシウスは、剣術を捨てて棒術を選んだとシードも聞いた。
 そしてまたカシウスは軍人に、しかも軍のトップとも言える准将になったが、彼の得物は棍のままであった。
 軍役に戻っても、カシウスは剣を手にしない。……それこそが、きっと彼の本心なのだろう。
 カシウスは軍人よりも遊撃士の方が、よっぽど彼の性に合っている。
 また、彼にとってリベールという小国では小さいことも、リベール王国だけではなく世界中で彼の助けを必要とするだろう人が沢山いることも、シードは知っている。
 …‥だが、それとはまた別に。リベール中の軍人にとって、新女王にとって、そしてリベールという国にとって。
 カシウス・ブライトの存在が如何に必要か、必要とされているか。その状況も人々の声も、あの人は熟知している。
 それは――幸福なことなのだろうか、不幸なことなのだろうか。
 必要としている状況や、彼を必要とする人々の声を熟知しているからこそ。
 本心、本気、本音、……例え己の心に反していようとも、未だ准将という立場に在り続けているのだろう。
 そのことだけが理由の全てではないだろうが、かなり大きな割合を占めるとシードは考えている。
 ――申し訳ありません、准将。
 カシウスの胸の内を薄々と察していても、シードもまた彼を必要とする軍人の一人として、彼に仕えている。

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298. カーネーション
- 2009/10/25(Sun) -
 家族からプレゼントされた、何本ものカーネーションを抱き締めて

エステル
「……あたしも、一人前の立派なお母さんになれているのかなあ……?」




 母の日です。
 
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297. 餌付け
- 2009/10/24(Sat) -
ケビン
「――それで、俺が作った料理を食べた時の笑顔を見たら、もう……、な……」

ヨシュア
「わかります、ケビンさん。その上に「美味しい!」と言われたら……」

ケビン
「また、俺が作ろうかなー、とか……」

ヨシュア
「今度はもっと美味しく上手に作ろう、とか……」

ケビン・ヨシュア
「「思ってしまう」」「んや……」「んですよね……」

 ケビンとヨシュアの視線の先には、自分たちが作った料理を満面の笑顔で食べている相棒のお嬢さん方が。





 餌付けしているのか、されているのか。
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296. イミテーション
- 2009/10/23(Fri) -
エステル
「怪盗Bは、何で宝石のイミテーションなんて盗もうとしたのかしら?」

ヨシュア
「この宝石が模造品だということを、世に知らしめたかったんじゃないかな?
……まあ、彼のことだから彼なりの美学や理由が他にあるかもしれないけど」

エステル
「……宝石が本物にしろ偽物にしろ、どっちにしてもそれを探し回って苦労したのはあたしたちだったのよね」

ヨシュア
「そうだね……」
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295. アンニュイ
- 2009/10/22(Thu) -
 エステルとヨシュアは遊撃士の仕事として行商人の護衛を引き受けたので、数日留守にするという。
 数日間とはいえ留守――レンを一人にすることを、エステルとヨシュアはひどく心配した。
 レンも護衛の仕事に来た方がいいんじゃないのかとか、一人で大丈夫か、などと二人は散々聞いてきたのだ。
 全く……一体、あの二人はレンを幾つで、何歳だと思っているのだろう?
 レンだって一人で留守番ぐらい出来る。当たり前だ。
 そもそもレンは今回二人の仕事を手伝うつもりは全くないどころか、むしろ二人が家を空けてくれるのを歓迎したいくらいだ。
 レンの研究中のレポートが現在詰まっていたので、誰にも邪魔されずに一人でゆっくりと考えてみたかったところだったので、むしろ渡りに船だった。
 (レポートを書いていたり、資料や論文を読んでいて夜更かしや徹夜をしたり、食事を抜いたりすると、心配する二人は規則正しい生活をレンに送らせようとするので。愛情故だとは分かるが、邪魔や口出しはしないでほしいというのが本音だった)。
 渋るエステルとヨシュアを送り出し、さあ徹夜でレポートに取り組もうと腕まくりをしたレンだったが……
「……はぁ……」
 やる気は出てこず、むしろ「退屈」という言葉と溜息しか出てこなかった。
 小言を言う人はいないのに、レンの好き勝手自由に出来るのに、何でこんなにも心が晴れないのだろう?
 徹夜や夜更かしをしたら「早く寝なさい」と、食事を抜くと「食べなきゃ駄目だよ」と、小言を言う人――心配してくれる人が、いない。
 一緒に眠ってくれるエステルが、一緒にご飯を食べるエステルとヨシュアがいない。
 挨拶をしてくれる人が、いない。見慣れた姿も見えない、声が聞こえない。
 それだけで、こんなにも……物憂げな気分になってしまうのか。
「……はぁ……」
 レン一人だって、お留守番くらい出来るわ。
 溜息と共に吐き出された言葉は、レン一人の家の虚空(くうき)に頼りなく浮かんでは、消えた。





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294. ターゲット
- 2009/10/21(Wed) -
 大陸各地を旅して回りながら、多くの人たちを遊撃士として助けたエステル達。
 国家規模の大事件を解決する為、尽力を尽くしたこともあった。
 ≪結社≫とも何度も対峙し、その都度≪結社≫の魔の手を退けたこともあった。
 二人は、間違いなく父カシウス・ブライトの境地に近付きつつあった。――良い意味でも、悪い意味でも。
「ヨシュア、気をつけろよ。――お前さんと相棒の二人、≪結社≫から狙われているぞ」
 エステルとヨシュアは、間違いなく父カシウス・ブライトの境地に近付きつつあった。
 偉大な父のように、エステルもヨシュアも活躍しすぎたのだ。
 カシウスが結社――というよりは、ワイスマン教授と言った方が正しいのかもしれないが――の暗殺の標的となったように。
 世間も、……そして≪結社≫などのような組織や勢力を無視することはできなくなった。目を付けられるようになってしまっている。
「……『ご忠告』、感謝します」
 情報屋の『警告』にヨシュアは頭を下げて、酒場から立ち去った。

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293. 叫び
- 2009/10/20(Tue) -
 時属性魔法「デス・スクリーム」――冥界に誘う死の叫び。確率20%で「戦闘不能」状態に。

エステル
「…………今のデス・スクリームの魔法で叫んでいた人、教授に見えたんですけど……?」

ヨシュア
「見なかった! 僕は、今、絶対に何も見なかった!!」




 真っ先に浮かんだネタがコレでして(汗)。
 アビス・フォール→異界の使者を呼ぶ、の使者が教授バージョンも浮かんだのは、何故!?

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292. 恋煩い
- 2009/10/19(Mon) -
レン
「……ふぅ(切なげな溜息)」

エステル
「あの様子……もしかして、レンに好きな男の子ができたのかな?」

ヨシュア
「……」(眉間に皺を寄せている)

エステル
「……ヨシュア、一つだけ言っておくけど。
あたしの時みたいに、ヨシュアの隠密能力や裏のコネをフルに活用して。
レンの好きな子を探ったり色々とちょっかいかけるのは……禁止だからね?」(目が笑ってない笑顔)

ヨシュア
「……(視線逸らし)」





 「あたしの時みたいに」=SCでヨシュアが別行動中でも、エステルの行動を把握してましたからね。
 ケビンさんのことも掴んでたし、その上でケビンを放置してました!
 ヨシュアは絶対、妹(レン)馬鹿になりますよ!

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この手に掴むもの
- 2009/10/18(Sun) -
 ドラマCDヨシュア物語聞いて二番目に驚いたことは、「ヨシュア、堂々と顔出してる! 暗殺者なのにいいのか!?」でした。(一番目は執行者時代にはハーモニカ吹いてなかったこと)
 トラック1番か2番目冒頭辺りで≪漆黒の牙≫時代のヨシュアの暗殺家業の様子が演じられているのですが、「誰の目にもつかずにこっそりと暗殺(おしごと)」じゃないんですよ。
 ヨシュアが某国の大臣? を暗殺するシーンで、護衛の兵士どころか、その他市民(女性の悲鳴も聞こえたので。兵士や傭兵じゃないだろう)がいる前で堂々とあっさりと殺しているんですよね。
 ……いいのか、暗殺者がそんな堂々としていて。夜闇に紛れたりして、人目につかないようにするもんじゃないか、とツッコミ入れました。(それとも顔が見えないように変装していたのかもしれないのですが、暗殺の標的である大臣が警戒や訝しげな様子がなかったので、その可能性も低いと思いました)
 でも、こんな衆人環視の中で『お仕事』するなんて、ヨシュアの顔を覚えてしまった人の一人や二人いてもおかしくないよね。
 ――SCのED後、大陸旅していてるヨシュエスを、その当時のことを覚えている人が見つけたり会ったりしてもおかしくないですよね。
 ……下手すると、ヨシュアがその国だかの自治州だかの要人暗殺、の罪で捕まったりするケースもあるかもしれないよね、ということで思い付いた以下の妄想。
 
 長編にするつもりだったんですけど、続きが思いつかなかったんですが。

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更新
- 2009/10/18(Sun) -

  • 更新
  • 空の軌跡、366題ログアップ。


 この前の更新が遅れたので、今回は早目にしてみました。

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291. escape
- 2009/10/18(Sun) -
レン
「信じられない……。エステルが今のレンと同じくらいの歳の頃、そうやって日曜学校の授業をサボっていたなんて」

ヨシュア
「(クスリと笑って)うん、そうなんだ。
それで授業を抜け出したエステルを探しに行くのは、いつも僕の役目でね。
例えばこんなことがあったんだ。それは……」

レン
「(ヨシュアの話を聞きながら、ふと思いついた様に小声で)……もし、そこに……」

ヨシュア
「レン? どうしかしたかい?」

レン
「いいえ、ヨシュア、何でもないわ。
(そう、何でもないの。ただ、思い付いたた、だけ。
……もし、『其処に』レンもいたらどうしたかな、って思っただけ……)」

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290. 愛執
- 2009/10/17(Sat) -
 ≪漆黒の牙≫の知識と経験を駆使してまでも、誘拐(さら)って閉じ込めて。
 君を独り占めしたい。誰にも見せたくない。
 僕だけのエステルになって、くれないか……?
「……そんな執着(きもち)もある僕を、君はどう思うかな? エステル……」
 隣で眠る、事後のエステルの寝顔を眺めているとそんな愛執が湧いて来る。
 ――このまま、夜が明けなければいいのに。
 朝日が昇り、君が目を覚ますまでは。君は僕だけのエステルでいてくれるから。
 ――少しでも早く、朝が明ければいいのに。
 己の内で湧き上がる愛執に頷いて身を任せたくなる、その前に、早く朝日が明けてくれれば……

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289. 理想の自分
- 2009/10/16(Fri) -
 親友のティータは、ツァイス中央工房で技師として働いている。
 ロレントのルックとパットは、遊撃士を目指して教官のエステルとヨシュアから指導を受けている。
 ――では、自分(レン)は?
 レンが将来なりたい夢はなんだろう?
 未来に、レンがやりたい職業(コト)はなんだろう?
 レンは、どんな自分になりたいのだろう……?
 今はまだわからない……。
 ……そして、その答えが出た時こそが、エステル達に別れを告げて、レンが自分の道を歩んで生きていく瞬間(とき)なのだろう。
 「その時」が何時になるか、「その答え」がどんなものであるか、今のレンにはわからないけれども――
 ―――――現在(いま)の気持ちを手紙に認めてみようか。
 何時か訪れるであろう日の為に、何時かの自分に宛てた手紙を。
 未来のレンは、過去に書いたであろう手紙(タイムカプセル)をどんな気持ちで読み返すだろうか……
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288. 僕の青い鳥
- 2009/10/15(Thu) -
ジーク
「ピュイ?」

クラム
「なんだ、ジークか……」

ダニエル
「なぁんだ……」

ジーク
「ピュイッ!?」

ポーリィ
「ジーク君はー、白いのー。青くないのー。残念ー……」

ジーク
「ピュイピュイ!?」

マリィ
「こら、マリィ! そんなこと言ったら、ジーク君に失礼でしょ!?
そりゃあ、確かにジーク君は青い鳥じゃないけど……はぁー……」

ジーク
「ピューーーーイッッッッ!!」

クローゼ
「あはは……、ごめんなさい。ジーク……
孤児院の子供たちに「青い鳥」の話をしてあげてね……、それで……えーっと……
……み、皆はこう言っているけど、別にジークが悪いわけじゃないから……
だから、ジーク、泣かないで!? ね? ね……?」

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287. darling
- 2009/10/14(Wed) -
エステル
「ダ、ダダダダダ、ダダダッダダーーーーーーー……っ!」

ヨシュア
「……」

エステル
「ダダダ、ーーーーーリ、……ん(顔が赤いどころか、涙目)」

レン
「ダメよ、それじゃあ。やり直しよ」

エステル
「う”〜〜〜〜〜……っ」

ヨシュア
「……エステルもこれが精一杯みたいだし、もういいんじゃないかな?」

レン
「ヨシュア、それじゃあ罰ゲームにならないじゃない!
勝負に負けた最下位(エステル)は、罰ゲームとして「ノンブレスで語尾はハートマークで「ダーリン」」と一位(ヨシュア)に言わなくちゃならないのよ!
勝負前に決めた罰ゲーム、エステルだって『賛成』してくれたじゃない」

エステル
「それはそうだけど……、でもあれは……!」

ヨシュア
「……(アレは『賛成』というよりは、『丸め込む』と言った方が正しいんじゃ……)」

レン
「アレだろうがコレだろうが、罰ゲームは罰ゲーム、よ。
それに、エステルだって罰ゲームに同意(うなづ)いてくれたもの。
――というわけで、エステル(ニッコリ)?」

エステル
「う”〜〜〜〜〜……っ、わかったわよ! 言えばいいんでしょ、ヨシュアに言えば! ダ、ダーーー……」

ヨシュア
「……(エステルだけじゃなくて、僕にとっても罰ゲームだよ……)」





 ヨシュアの反応を見越した上で、レンは罰ゲームを持ち出しています。

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更新
- 2009/10/13(Tue) -

  • 更新
  • 空の軌跡、366題ログアップ。


 帰ってきましたが、……すいません。個人的精神影響の為、溜まってる拍手諸々の返信は無理です(実は母の故郷に行く前から)。
 一応、サイト更新はいつものようにする、……つもりです。

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286. 選択
- 2009/10/13(Tue) -
「―――――っ!!」
 レンは冷や汗を流して飛び起きる。……とんでもない悪夢を見たからだ。
 レンが――≪殲滅天使(レン)≫が、エステルやヨシュア、ティータを始めとする家族や友人、仲間達を殲滅(ころ)してしまうのだ。
 そして、それは……有り得ないことじゃなかった、のだ。
 かつての≪殲滅天使(レン)≫は、本気で大切な人たちを殺そうとした。
 実際は彼等にレンは負けたが……、――もし、当時レンが戦闘に勝っていたら。
 どこかで、何かが一歩でも違っていたら……レンは、彼等を殲滅(ころ)していただろう……
「……」
 ……結局は為されなかった選択(かのうせい)だけれども、今更ながらにレンの身体はゾクリと震えた。

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285. 探しモノはなんですか?
- 2009/10/12(Mon) -
(山猫号内にて)

ジョゼット
「ない! ないないない、なーーーーいっっっ!!」

ドルン
「おい、ジョゼット、何を探しているんだ?」

ジョゼット
「手紙だよ、手紙! ドルン兄、キール兄、手紙見なかった!?」

キール
「手紙? お前がそれだけムキになって探すってことは……ああ、そうか、ヨシュアからの手紙が来てたのか!
……それで、またヨシュアの手紙が無くなったのか?」

ジョゼット
「違うよ! ヨシュアからの手紙はちゃんとあるって!
そうじゃなくて! 僕が探している手紙は、……あのノーテンキ女からのものだよ」

ドルン・キール
「「……」」

ジョゼット
「な、何だよ、二人とも! その沈黙は! どうして僕をそんな顔で見るのさ!?」

ドルン
「だって、なあ……」(キールを見る)

キール
「だよなあ、兄貴……」(ドルンを見る)

ジョゼット
「……! もういいよ! 兄ィ達には聞かないから! ――もう、知らない!!」(操縦室から出て行く)

ドルン・キール
「「……ぷっ!」」

 ――そして、兄二人の大爆笑。




 その後。
 ドルン「ジョゼットも、あの嬢ちゃんと仲良くなったんだなあ!」
 キール「今、必死になって、ヨシュアと『嬢ちゃん』、二人の手紙の返事を書いてるよ。ジョゼットは」

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284. 恋い焦がれる
- 2009/10/11(Sun) -
 まるで恋焦がれた相手を前にしたかのように熱情的でありながら、
「会いたかった……ヨシュア・アストレイ!」
 いっそ優しげに、少女は言い放った。
「あなたに会いたかったの――≪漆黒の牙≫! お父様とお母様の、仇め……!!」

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283. 絆
- 2009/10/10(Sat) -
 ジョゼットのSクラフト、ワイルドキャット発動!

ジョゼット
「ドルン兄、キール兄、サンクス!」

アガット
「……」

ティータ
「アガットさん、どーかしましたか?」

アガット
「いや、何でもねえ……(ティータが助けを叫べば、ラッセル一家の面々が今にも来そうだな……
……特にエリカ・ラッセル辺りはマジで今にも来そうで、シャレにならねえぞ、おい……)」

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282. 片恋
- 2009/10/09(Fri) -
レン
「……」

ヨシュア
「レンの僕を見る視線が非常に気になるんだけど……、父さん、レンに一体何を話したの?」

カシウス
「なぁに、大したことは話しておらん。
ただ、お前さんのエステルへの片思い時代をちょいと話しただけだ」

ヨシュア
「父さん!!」




 カシウスは、本当はこういうことをペラッと軽く喋ったりはしないでしょうが。
 
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281. エキゾチック
- 2009/10/08(Thu) -
ロレントの街の住人
「シェラザードさんは、銀髪黒肌のエキゾチックな美人なのに……
そういえば彼女みたいな異国美人が、ロレントみたいな田舎町を歩いていても全然違和感感じなくなったなあ……」




 それだけロレントの街に彼女は馴染んだ証拠です。
 リベールではシェラザードの容姿は珍しいと思うんですが。
 軌跡FC時代ならともかく、ロレントに来たばかりの頃は流石に浮いていたんじゃなかろうかと。

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280. 合鍵
- 2009/10/07(Wed) -
ジョゼフ
「いずれ、君のご家族が迎えに来るとは思うけれど……
君に迎えが来るまで、クローゼ、君は僕たちの家族だ。
だからこの鍵を、君にもらって欲しい」

テレサ
「私たちの家の合鍵です。これを受け取ってもらえますか、クローゼ……?」




 百日戦役中にクローゼが護衛からはぐれて、ジョゼフ夫妻に保護された〜お城からのお迎えが来るまでの期間。
 家族の証というものがあるならば、鍵もその一つだと思うんですが。

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279. 別離
- 2009/10/06(Tue) -
 彼に護られたいのではない。庇われたいのではない。
 ケビンを護りたいのだ。支えられるようになりたいのだ。
 だから、このままではいけないと決めた。
「君が正騎士への昇任試験を受ける、と言うのだな? リース」
「はい」
「直属の上司(ケビン)の許可は取ってあるのかね?」
「はい」
 彼は寂しそうに笑い、「そうやなあ、そろそろお前も独り立ちする頃やもんな……」と承認してくれた。
「そうか。――ならば、私の方から言うことは何もない。承認試験、頑張りたまえ」
「はい!!」
 彼と共に歩んで行くとの誓いは、今もまだリースの胸の中に息衝いている。
 ……強くなりたいのだ。彼を護れるように、支えられるように。
 あの誓いの為、誓った未来の為に、今は一時の別離(わかれ)を選ぼう。
 

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278. 花びらひとひら
- 2009/10/05(Mon) -
 オリヴァルト皇子は目的を果たた。
 リベール王国の最速と名高き白き翼、高速巡洋艦≪アルセイユ≫は皇子とヴァンダールの獅子を乗せて、本来の目的地である帝国へと今度こそ向かった。
 最速を謳われる艦だ、あっという間に≪アルセイユ≫の姿は見えなくなった。
 後に残されたのは、レミフェリア公国方面、国際定期船≪カラブリア号≫の甲板で愉快そうに呵呵大笑する帝国宰相と。
 その書記官であるレクターと、甲板の床に散らばる皇子の宣戦布告の名残である赤い薔薇の花びらが散らばっている。
「……」
 俺よりも上のアホがいるとは……世界は広い。
 レクターは脱力半分呆れ半分に感想を胸内で述べてから、思考を切り替える。
 飛行船の床に散らばった赤い薔薇の花びらを見渡して、その内の一枚を拾い上げた。
 ……そう言えば、この飛行船(ふね)はレミフェリア公国方面行きだったか。
 先程クローゼと会ったばかりだ、ついでにもう一人懐かしの顔に会いに行くのもいいかもしれない。
 レミフェリア公国には、かつての同級生であり同じ生徒会メンバーであったルーシーがいる……。
 ――「ルーシー先輩は『レクターらしい』って苦笑しながらも泣きそうな顔で!」
 女を泣かすのはマズイよなあ……
 …………やっぱり、会いに行ってみるかね。
 どうせ女に会いに行くのならば、赤い薔薇の花束でも持参してみて。
 まあ、どちらにせよ顔を出したら殴られることは確定しているだろうが……




 正直に告白します。
 最初はレクター×ルーシーで、レククロは先輩後輩として見てました(コンビとしても見ていなかった)
 レククロの捏造未来を書いていく内にそちらにもハマっていきましたが(笑)

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